2024.01.09
痛みがなければ虫歯じゃないの?
【東京メトロ東西線妙典駅 徒歩5分の歯医者】
市川、妙典の歯科医院、めぐりデンタルクリニックの梶原です。
患者さんから、よく聞く言葉に「むし歯の痛みがあった」「なんか気になるから、むし歯だと思う」というものがあります。
これ、本当にそうなのでしょうか?
そもそも、むし歯は歯の硬い部分に起こった細菌感染の結果、その硬い部分が溶けてもろくなったものです。
子どもの頃、抜けた歯にむし歯があった方に伺います。その歯、どうしようもない痛みはありましたか?
むし歯のある親知らずを抜いた方に伺います。その歯、抜く前にずっと水がしみるような症状はありましたか?
神経をとった歯の治療をした方に伺います。神経をとった歯に麻酔をせずに処置できるのはなぜですか?
・・・なぜこんな質問をするのか、というと、「むし歯だから痛いわけではない」からです。
あくまで、痛みを伝えるのは、人間の体の中を走行している神経です。歯の中には神経があります。神経は、歯の内側の深い部分にあります。
ちょっとくらい虫歯があったって症状はありません。しかし、時間がたって、むし歯が広がり、神経の近くまで侵食してくると、神経の周囲で炎症が起こります。これが痛みとなって現れてくるのです。ですので、「むし歯で痛い」のではなく、「むし歯が大きくなって、神経が痛みを発して痛くなっている」のです。
同じように聞こえますが、大きく違います。
簡単な例をあげますと、上にあげた神経のない歯の虫歯の治療がなぜ痛くないか?という事です。むし歯自体が痛みを発生させるなら、神経あろうとなかろうと関係なく症状がでなければ変だ、という話です。
あるいは、むし歯が発生した時から症状が出てこなければ変だ、という話です。
この話が何につながるのか?
「痛みが出たから診てもらおう、では遅い」ということです。痛みが出る、ということは、歯からすると、もうどうしようもない末期症状である、という事です。
ここからは推察が入りますが、人間は野生動物です。山や草原などで野生で1つの動物として暮らすならば、ちょっとの虫歯ですぐ症状が出たらごはんが食べられなかったり、他の動物に狙われる可能性が上がってしまう。なので、ぎりぎりのラインまで症状が出なくなってるのではないか、私はそう思っています。
痛みが出たあとは膿んできます。そうすると周囲の骨が溶けてきて、歯はグラグラして抜ける。抜けた後は傷口の感染がなければ、症状はなくなり、他の歯で噛めるようになる。そういう生きていく上でのシステムがあると思います。
ただ、現代は早期に発見して対応すれば、大きく悪くなったり、抜けるような事態になる前に手を打てる、ということです。
それを踏まえて写真をみていきましょう。
この方は症状はありませんでした。処置する前は↓の写真のような状態で、特に歯が壊れたり、ということもありません。
では、ここに問題はないのでしょうか?
少し削りました。何やら様子がおかしいのが見えると思います。
さらに削った状態です。これで取りきったわけではありません。まだむし歯が残っている部分が染まる液を使って染めてみると・・・
↑とりきると、このような状態になりました。処置途中の写真よりも明るいのがおわかりでしょうか?汚染されている部分は茶色くなっており、見た目にも暗く見えます。
このように、見た目は問題なさそうで、痛みがなくても内部で広がっている事は多々あります。
「歯医者に行ったら、なんでもなかったのに大きく削られて、痛みが出た」というのは、大まかこれである可能性が高いです。
ご自身の口の中が本当に問題がないのか、しっかりとした診断を受けることをお勧めします。
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