治療した歯の中でむし歯が広がり、神経まで到達していたケース

これを見ても、まだ「とりあえず」の治療を受けたいですか?

【東京メトロ東西線妙典駅 徒歩5分の歯医者】
市川、妙典の歯科医院、めぐりデンタルクリニックの梶原です。

「むし歯があったら治療をした方がいい。しないと、治ることはないので、どんどん悪くなってしまう。」

上の様な言葉をどこかしらで聞いたことがあると思います。確かに、事実です。むし歯は放っておくと自然治癒することはありません。止まることはあるものの、基本的には広がっていきます。

ただし、同時に考えなければならないことがあります。むし歯をとった後の状態から、どう治すことがその後の再治療を防いだり、歯がダメになることを防ぐことにつながるのか?ということです。

それでは、今回の写真になります。

治療した歯は、再度悪くなりやすい

治療前の写真になります。一部、崩壊しているのが見えるので、状態が悪い、という事は理解できると思います。ポイントは一点。この歯のどの部分が悪くなっているのか?ということです。

見ての通り、一度治療されている歯です。一度治療された歯が、再度治療になったらどう思うでしょうか?また、どの位維持してくれたら「よい」という評価を与えられるでしょうか?

上の銀のものを外すとこうなっていました。すでに崩壊している部分は予想通りだと思いますが、奥の黒いものは想像できたでしょうか?このような状態が長年たつとどのくらい広がるのか?虫歯を除去していく写真とともに見ていきましょう

手前の崩れていた部分が、歯の内側にある神経とつながっていました。こうなると中の神経はすべて取り除かなければなりません。

一方、黒い部分はどうでしょうか?取り除いた後、奥に縦の黒線があるのがわかるでしょうか?

実は歯を治す材料は、歯と一体化してくれません。あくまで部分を埋めているだけになります。残っている歯の部分にかかる力は、その歯全体が、材料にかかる力は、まずは材料の部分で、そこから全体の歯の方へ力が逃げる、という仕組みになっています。

上の写真のような状態になるのです。そうするとどうなるのか?力を受けきれない、弱い部分が壊れてきます。

自分の歯を残す、の本当の意味

よく「自分の歯を残す治療はよい治療だ」といわれますが、本当にそうでしょうか?

そもそも、この言葉の受け止め方はいくつかあると思います。

1.エナメル質を削らない

2.悪い部分をとるが、その結果残る歯の部分は削らずに残す

3.悪くなっている部分があっても、自分の歯である以上、残す

4.悪い部分を取り除いたうえで、その後かかる力に対応できるような歯を残し、しっかりと使う

他の解釈はあると思いますが、考えられるだけでも上のようなことが思い浮かびます。世間的には、1-3だと思っている人が多いですが、医療従事者側からすると4の意見に近いのです。

悪い状態の歯は抜くのが正解なの?」これについては、その歯を残すメリットとデメリットを見比べて、メリットが強ければ残す、デメリットが強ければ抜く、になります。なぜなら、歯があることで、歯の周囲に細菌が住み着くことができるからです。(歯がなければ、口の中に住み着く菌は減ります。入れ歯は、表面に菌が住み着けてしまいます。)噛めなくて、菌をまき散らす状態の歯であるならば、そこに置いておくメリットはなく、むしろご自身が高齢化して、抵抗力が弱った際には命を縮めるものへと変わります。

噛むことができる。発音の上で有用である。一本では厳しいが、他の歯を支える装置となることができる。など、メリットがどのくらいあるのか?という事が重要になります。治療によって、これらの機能が長期間維持できることが見込めるから「残す」という判断になるわけです。

何のために治療をするのか?をもう一度考えてほしい

治療して、悪いところをとっても、数年すると再治療になる。再治療はやる前よりもどんどん大きくなる。やがて、部分的な治療は1本の歯全体の治療となり、神経まで問題がおよび、抜歯へとつながる。

昔からよく言われるサイクルです。これを防ぐためには、ひどくなる前に、長期間維持できる素材でしっかりと治すことです。ただ、1本の歯に関して言えばそうなのですが、周囲の歯との関係性が悪い場合は、そもそも全体的に整えてから処置した方がよい場合も多々あります。

勉強会でも、1本の歯だけしか見てない治療は「木を見て森を見ず」と厳しい評価を受けます。ですので、当院では全体をしっかりとみて、そこに問題があるかないかを先に判断するのが重要をお話しさせていただいております。

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めぐりデンタルクリニック

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