
歯を治療するにあたって、何を考えるべきなのか?
【東京メトロ東西線妙典駅 徒歩5分の歯医者】
市川、妙典の歯科医院、めぐりデンタルクリニックの梶原です。
保険診療と自由診療で何が違うのか?・・・言葉だけでいえば、保険を使わない診療はすべて自由診療になります。ただ、多くの方にとって、馴染みのあるものを例に挙げるなら、被せものが銀歯か、保険の白いものか、自費のセラミックス、というところではないでしょうか?
まず、一つ断りを入れますと、自費の治療がすべて素晴らしいわけではありません。自由診療は素晴らしいです、「使いこなせれば」。上の例で出した被せもの(クラウン)でいうならば、何を被せるか?にどうしても焦点が当たりますが、本当は考えなければならないのは「被せるものが、長年持つ環境にあるのかどうか」です。
どういうことか?

こういう口の中の方がいます。この方の治療をします。

仮に、この部分を被せることになったとして、セラミックスを入れることにどれほどの意味があるでしょうか?
この歯は感染には噛んでいません。そして不自然にすり減っています。そんなところに、きれいに形作ったセラミックスを入れることに、どれほどの意味があるのか?という事です。
もちろん、被せなければならないのであれば、セラミックスはいいと思います。ただ、セラミックスも色々な種類があるので、強度的にはジルコニアではないと割れる可能性が非常に高いと思います。保険ならばいわゆる銀歯ですね。
当院では選択肢にはありませんが、他院ではよく見かける「ハイブリッドセラミックス」を入れるとどうなるか?5年持てば御の字、下手したら2年持たずに割れる可能性があります。では、2年ごとに入れ替えますか?「再度被せなおす時には、また費用はそのままかかります。けれども、保険よりもいい歯ですよ」と言われたら入れますか?ちなみに、ハイブリッドセラミックスをここに入れるならば、あまり噛まないように調整すると思います。割れないようにするため、です。それならば、入れる意味はどれほどあるでしょうか?
治療は、治す歯だけをみればいい、というわけではない
何で治すのか?を考える前に、一つ大事なことがあります。「その歯が壊れないようにするには、どうすればいいか?」ということです。
そのために、上の場合で考えなければならないことは、①奥の2本(ほぼ1本)だけで噛んでいる環境を何とかする、②下の前歯の不自然なすり減りの原因を考える、このあたりに焦点を当てなければなりません。当然、反対側の歯がどうなっているか?も重要な視点です。
この方の口の中をよく見ると、小臼歯の部分が上手く噛みある関係にありません。

長い年月が経って、奥歯が壊れると、次に強く当たるのは前歯。前歯は噛むことは苦手なので、簡単にぐらついてダメになります。そうなったら、その後、どこでかめばいいのでしょうか?上の青〇の部分を、かぶせもので方向を無理やり変えてかませる、という方法は存在しますが、この場合はかなり難しいように思えます。
そうなると、歯の位置関係を変える、という発想が必要になります。その場合の方法は二つ。①矯正、②すべての歯をあきらめて、入れ歯かインプラントで作ったものでかみ合わせを作る、という二つになります。二つ目の方法はかなり強引な方法に感じると思いますが、年齢が進み、歯周病が進行しすぎている方ならば、十分あり得る選択肢です。
このように、まずは口の中の状況を整える、という事が重要になります。長期的にもつのか?問題が起こったら打つ手があるのか?その視点に立って、問題を考え、経済面もあるとは思いますが、その中でできる方法を考えます。被せものの種類は、その最後に考えるものだと思います。
重要なのは、これらのことをある程度話したうえで治療を始める、という事。もちろん、話した結果、背負わなければならないリスクが見えて気落ちするかもしれません。しかし、それらを理解した上で、選択肢として自由診療が登場するならば、それは大変意味のあるものと思います。(それは、まだ手を打てる、という事です。手が打てなくなると、自由診療自体の提案もされないと思います。)
後悔しない治療のために
診療の上で重要なのは、どのゴールを目指すかしっかりと決めてから始める、という事です。長期的にお口の状態を保ちたい、とお考えならば、このあたりをしっかりと意識していただければと存じます。
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めぐりデンタルクリニック