市川、妙典の歯科医院、めぐりデンタルクリニックの梶原です。
「歯医者に定期的に行っているのに、なぜ虫歯ができるの?」というセリフをよく聞きます。ごめんなさい、歯医者に定期的に行っても虫歯を防ぐことはできません。
美容クリニックにマメに通っている人が「なぜ頻繁に通っているのに、年齢とともにしわができてくるの?」というのと、同様な疑問だと思ってください。加齢とともにしわが増えること自体は止められませんよね?
歯科の定期健診も同様です。虫歯ができるかどうかは、その人の食生活、特に①何を食べているのか②どのくらいの頻度で食べているのか、この2点に大きく関わります。この点では歯ブラシの効果などさして高くありません。(ご飯を食べるだけで、毎度歯が溶ける状態になっているからです。詳しくは「ステファンカーブ」でご検索ください)
定期健診は、虫歯ができているか、あるいは軽度のところがひどくなってはいないか、を診る時間。問題が大きくなる前に対応するための時間なのです。「問題が起こらないようにするための時間」ではありません。
今回は虫歯にフォーカスをあてていますが、本気で虫歯をなくしたいのならば、定期健診を受けて「虫歯がないか」を聞くのではなく、定期健診で「自分はこのような食生活をしている、以前はこうだった。前回と今回で変化はないか?」を聞くべきで、さらにそれが長期で変化がないのかを確認するべきなのです。(生活習慣系は効果がわかりづらいので、長期で考える視点が重要になります)
逆に虫歯が通っているのに見つかる人は、ご自身の食習慣を見直さなければなりません。もし、虫歯が見つかったのならば「定期健診に通っているのになんで?」ではなく、「これから新しい虫歯を作らないようにするために、生活習慣をどうすればよいのか?」を考える場である、ということになります。
生活習慣の変更は辛い事です。「明日から、朝2時間早く起きてください」だとか「1日何があっても1時間新たな分野を勉強する時間を作ってください」のようなものに近いからです。確実に言えることは、その主体はお一人お一人の患者様だということです。医療従事者はあくまでサポーターであり、わからないものや困りごとに対するサポートはできますが、根本解決はできません。そのあたりを踏まえて、定期健診をうまく活用していただけますと幸いです。