【東京メトロ東西線妙典駅 徒歩5分の歯医者】
市川、妙典の歯科医院、めぐりデンタルクリニックの梶原です。
**注意**
今回、出血のある部位があります。少し手も血が苦手という方はページを閉じてください。
白いつめものと表現されることが多い、保険の材料。その名をコンポジットレジンと言います。光ですぐ固まる性質があるので、よく用いられます。
また、セラミックスで全体を被せるのではなく、部分を埋める治療もあります。
そういったものの下がどうなっているのか、知っていただく一因になればいいなと思っております。
つめものの縁が劣化しています。写真ではわかりませんが、肉眼では奥に黒く染まったエリアがあるように見えました。
白いのを大体とっていくとこのような感じでした。処置前の予想に反して、中の進行が思ったほどではないケースでした。こういう時に、我々歯医者は治療するものでもあり、破壊するものでもある、という言葉が頭に浮かびます。これは見えている黒点の部分と、実は手前の歯の近くにある茶色の部分が意外に深かったのですが、そもそも何年かかってここまで進行したのか?ということと、自分が処置をしたことで、この歯の寿命は果たして変わったのだろうか?ということを考えさせられます。
処置した結果が、何も触らない時と変わらないのであれば、ただの破壊者です。ですが、処置した結果、レントゲンでも映らない大きな虫歯が隠れていることもしばしばあるのも事実。このジレンマの中、日々の診療を行っております。
さて、1本奥の歯はと言いますと・・・(´・ω・`)
真ん中に深いエリアが見えました。↑黒い部分が悪いように見えますが、一番問題なのは真ん中の黒線の周りの茶色エリアです。黒は止まった虫歯の事が多いですが、茶色は現在進行中の可能性が高い。つまり、この歯の場合、神経の処置の可能性も十分にある、ということです。
↑加えて、奥の部分は白いものがただのっかっていただけエリアになります。外す下には受け皿となる歯質がなく直接歯肉がでてきました。そのため出血しています。これは「削ったから出血してきた」のではありません。「外しただけなのに出血してきた」のです。何が言いたいのかというと白いつめものの下は、常に炎症が起きていた、ということです。(おそらくセラミックスが入っていたと思われます。)
原則、材料は歯だけと接触させなければなりません。はみ出すと上のように常に炎症が起こってしまうからです。(生体の治癒を考えてコントロールすればその限りではありません)歯ぐきの下まで歯がない部分があると、海外では抜歯と判定されることもあります。(上の状態の歯は抜歯と判定するところもある、ということです)
この出血している部分の周囲の骨のレベルは下がっておりました。ある種これは「セラミックスを入れるから長持ちするわけではない」といういい例になったと思います。材質としてのセラミックスは優秀です。強度はそこそこあるし、菌の付着が金属よりも少ない。しかし、それを十分に生かすには、事前の診断・設計が重要になります。
↑奥側にあった黒い部分をとり、整えた後です。
歯の境目もさんざん触りましたが、出血はあまりしていないことがお分かりになるかと思います。こういう、細部を細かく仕上げる技術の上に、素材のよさは初めて生きてきます。加えて、どう設計するか?も合わさって長持ちするかどうか?が決まってくるのです。
自由診療を選択したから、長く持つわけではない、ということをぜひご理解ください。自由診療はこういうケースにおいては素材、あるいは設計に影響を与えます。しかし、すべてを覆す力はありません。中に虫歯が残っていたり、縁の処理が甘ければ長持ちはしない、そういうものです。(材料としては大変優秀です。)
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