医療はサービス業なのか?

【東京メトロ東西線妙典駅 徒歩5分の歯医者】
市川、妙典の歯科医院、めぐりデンタルクリニックの梶原です。

久しぶりの更新になります。書きたいものはたくさんあるのですが、ブログを書くための時間配分がなかなかうまくいかなかったですね(´・ω・`)

さて、今回はまじめなテーマ「医療はサービス業なのか?」このテーマに関連したことが世の中に出回っているため、色々なすれ違いが起こっていると思い、書くことにしました。

結論から言いますと、医療はサービス業ではない、と思います。

なぜか?サービス業は顧客の○○したい、という要望に応えるものです。つまり、正解というものがあるとするならば、それは常に顧客が持っているのです。顧客の価値観次第なんですね。その中で、具体的に何がしたいかわからない人に対しても、眠っている潜在的な「こうしたい」という想いがあるはず、とあたりをつけて先んじて応えるサービスを提供できる。そんな企業・サービスが評価されるわけです。

一方、医療。相手にするのは、患者さんという一人の人間ですが、その人の物理的な体を相手にもします。つまり、こうすればこうなる、というものがある程度存在する。科学なんです。それに加えて、相手がこうしたいという想いも踏まえて方向性を考えていく、そういうものになります。(この部分がサービス業と判断されるところですね)

ですので、まずはここの部分にこういうことをすれば、こうなるだろう。という状況が先にあります。そうなるためにはオペが必要だったり、時間・お金がかかったり、ということがでてきます。それらを踏まえて患者さんが医療を受けたいかどうかを問います。しかし、逆にできないものもあります。どんなに頑張ろうが、亡くなった人間は生き返らないように、自然の大原則にはかないません。その中で、できること・できないことをかみくだいて説明するのが精一杯です。

我々の中で議論される話の中に「患者さんが、歯をすべて抜いて欲しいと言ってきたら抜くのか?」というものがあります。できる・できないで言えば、できます。しかし、それは医学かで言えば、とてもyesとは言えません。この時点で、相手の想いを汲み取ることを第一としていないので、サービスとは言えないでしょう。まずは医学的に正しいのか?という観点が必ず入ります。(恐ろしいのは、それらを無視して個人の想いで動く医療従事者がこの世にいる、ということです。自分のしていること=正しい、ということですね。(;゚Д゚)ブルブル)

・・・で、冒頭に戻ります。なぜ医療現場で医者と患者のすれ違いが起こるのか。

医者は、患者の体を医学的見地に沿って治すものと思っています。

一方で患者は、自分の状態は何とかなるものと思っている。そして、それを自分が納得できる形で治したいと思っている。それはそうですよね。生まれてから今まで生きてきて、大きな不調を感じていないわけですから、急に「あなたの体に問題があります」と言われても納得できるわけがない。

これがサービスならば、相手の想いを汲み取った処置でOKです。サービスならば、やりたくないものはやらない、で終わりです。しかし、医者が扱うのは医学。時には相手の意に反することをすすめなければなりません。そして、これが一番難しいのですが、100%効果のある治療など存在しない、ということ。これだ、と思っていても効果が出なかったり、意図しない結果になることがある、ということです。(そのためにエビデンスに基づいた治療、自分のこれまでの経験などが重要になるわけです)

患者側は受けたからには必ず良い効果が出ると思っている。医者側もそう信じている。しかし、そうならないことがある。これもまた、ただのサービスとの違いであり、人体を扱う事の難しさでもあります。

サービスならば、処置の快・不快で判断できますが、人体がどう反応するか?をその本人がどう感じたかだけで判断されては、我々医療従事者側は辛いものがあります。そのために、事前の診査診断、納得のいく話し合いが重要なのですが、そこに時間とお金をかけることに理解のある人の方が少数派なワケで・・・(´・ω・`)

我々が判断することの裏に、そういった思惑があることを理解していただける人が一人でも増えたらいいなぁ

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