市川、妙典の歯科医院、めぐりデンタルクリニックの梶原です。
本日は奥歯の治療について写真をのせます。
奥歯の歯と歯の間の虫歯です。食べ物が詰まっているのが見えると思います。
削ると、予想通り虫歯が出てきました。茶色の部分全般が虫歯です。
青く染まっている部分は虫歯がまだ残っているところです。それをとり切って「やれやれ」と思っていたら、奥の溝の部分まで虫歯が繋がっていました。
とりきって、白い樹脂の素材で詰めたところ。正直、この大きさは適応外だと思います。(白い樹脂で詰める治療は、この形の治療は認められております。しかし、どこまでの大きさを樹脂で治してよいのかという明確な規範はなく、術者の技量があればよい、という認識が歯科医師の間であります。治療する=元の歯と同じ機能を持たせる、と思っていますので、この形の白い樹脂の部分に天然の歯と同じような力をかけ続けるならば、2年持つとは思えません。ですので、そこで強くかまないようにするという小細工をした上での処置にどうしてもなってしまいます。それは、治療したと言えるのか?=本来的に樹脂で治してよいところなのか、という疑問と我々は日々格闘しております。)
別の角度から。治療痕はさがすのが難しい=目立たない、というようになっていると思います。奥歯だから意味はあんまりないかもしれませんが(´・_・`)
これも保険診療です。処置が終わるまで30分程度。ただ、この形をしっかり治すのならば、ベストはGoldのインレーですね。どうしても樹脂で治すのならば、ダイレクトボンディングという手段もありますが。(保険樹脂より硬い素材を使えるため)セラミックインレーで治すという手段もありますが、削りが多くなるという事と、この形態は自分の経験から言うと割れやすいですので、あまりおすすめはできません。
↑上記はすべて、自由診療の際の選択肢です。保険ならば、銀のインレーがありますが、5年程度たってからインレーをくっつけている接着剤の強度が落ちてくると、境目から神経方向に菌が侵入して虫歯が進んでいるという場面をよく見かけるため、正直おすすめしたくはありません。
こちらが自由診療の話をする理由は、5年10年後の安定のためと、再治療となった際に中が虫歯でやられなければ、ほとんど歯を削らず作り直せるからです。「安い・早い・よい」であるならば、日本の歯科医師は自由診療などやらないです。しかし、結局は「安い・早い・悪い」が保険診療の限界。悪いの行きつく先は、一旦削ったところよりも大きくなるか、その歯を残せず抜くかに行きつきます。それが繰り返されると、いわゆる入れ歯に行きつきます。そこに行きつく人間を一人でも少なくすること。それが歯科医師としての自分の目標でもあります。