医療の主役は・・・

【東京メトロ東西線妙典駅 徒歩5分の歯医者】
市川、妙典の歯科医院、めぐりデンタルクリニックの梶原です。

医療の主役は誰なのでしょう?医療は何をするためにあるのでしょう?今回はそのあたりについて書きます。

医療の主役は、もちろん、一人一人の患者さんです。ドクターではありません。

「そんなの当たり前だよ」と言われそうですが、ここから医療の特殊性を書こうと思います。

例えば、人生の主役は誰でしょう?と聞かれたら、これも一人一人の人となるでしょう。いいことをしようが悪いことをしようが、その人次第。そもそも、何がよくて何が悪いかは価値観によってあっという間に変わります。だから、人生については方向性などあってないようなもので、その人次第。自由。

では、医療はどうなのでしょうか?

主役は一人一人です。しかし、その人が「こうしたい」と思ったことを叶えることが医療なのでしょうか?こうしたい、という思いの先に問題ない状態が待っているならそれでいいでしょう。ですが、中にはどう考えてもそうならないものがあります。

スポーツの例がわかりやすいと思うので出しますが、「足が速くなりたい」という人がいるとして

A.自分は足が速いと毎日1000回考える(考えるだけで走らない)

B.負荷をかける日と流す日を交互に入れながら、100mダッシュを毎日最低10本走る

AとB、どちらが足が速くなるでしょうか?

医療というのは、これに近いものがあります。まずは達成したいものがあります。(歯科なら歯周病を治す、虫歯を治す、長期間かみ合わせが問題ない状態にする、など)それについての方法論がいくつかあります。

医療従事者側としては

1.患者さんの達成したい思いがある

2.患者さんがそれを達成するために受けたい治療に妥当性がある

この二つが揃ったときに、初めて力を貸すことができます。

しかし、中には

1.達成したい思いがある

2.それを達成するために、本人がこれだ!と考えているものが解決に向かっていない、あるいは悪い方向へ向かうものである

このような場面に出くわすことがあります。そうなると、医療従事者側は何もできません。その想いに従って処置をすると、後戻りできない状態にしてしまう可能性や問題を大きくしてしまうこともあるからです。そうなったら、「治療をした」のではなく「体を壊す手伝いをした」ということになります。

そして、悪い結果になれば、得てして「あいつが悪い」と責任を追及するのが人間です。

ややこしくなるのでまとめると

・人生の主役は自分自身、医療の主役も自分自身。

・人生は自由。しかし、医療は状態を悪化させない、あるいはよくすることを目的としている。つまり、何でもいいわけではなく、ある程度決まった方向性がある。

・医者や医療スタッフといった医療従事者は、相手をよくするためのお手伝いである。だが、根本は相手を良い状態をする手伝いをするのが目的で、なんでも相手の思い通りにすることを目的としていない(相手を壊すことに加担する可能性があるから)

医療はこのような特殊性があります。その特殊性を患者さん側も理解したうえで、お互いが信頼し合える関係づくりができればと思います。

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