市川、妙典の歯科医院、めぐりデンタルクリニックの梶原です。
当院に来院された方は耳にしていると思いますが、私は銀歯を推奨していません。その理由は、たくさんの人の銀歯を外す中で、問題のないことが少ないから。大概、中で何か起きています。何も起きていなければ、被せ物をしている場合なら、付け直して終わりです。しかし、問題が起きていたならば、そのままというわけにはいきません。
下の写真をご覧ください。これを見て、問題がある!と思う方はまずいないでしょう。
この銀を外したのが下の写真です。これは何もないと言えるのでしょうか?
最後、虫歯をほぼとった写真ですが、深さがかなりある、ということがわかると思います。この下には何があるのか?歯の神経です。神経まで問題が及ぶと、運が悪ければ歯を抜くという選択肢が現実になります。
よくある勘違いとして、虫歯が痛くなる、というものがあります。虫歯自体は痛くありません。あれは歯の中の神経が炎症を起こし、それによる痛みを感じているのです。虫歯が痛いのなら、神経がない歯の虫歯も痛くならなければおかしな話です。歯の中の神経が虫歯でやられていれば、いくら中で虫歯が大きくなろうが、何も感じません。
痛くなってから治療をしたい、という発言をよく聞きますが、歯の痛みというのは末期反応だと思ってください。神経は歯の表には出てきません。奥にいるのです。その奥にいるものが悲鳴をあげるというのは、身体からすると「もうどうしようもないから出してくれ」というサインなのです。
ひどくなるまで触りたくない、という御意見は尊重します。しかし、裏にある責任も背負っていただきます。我々が早めの対応を申し入れるのは、早めに対応すれば、次に何か起こっても打つ手があるからに他なりません。ある程度以上に進むと、我々でも手を出せなくなる領域になることがあります。特に悩むのが、中途半端に歯が残っている場合。半端に歯が残っている口のなかほど難しいものはありません。患者様にとってもベストな治療は提供できないし、処置を受ける患者様も快適になることはまずないので、患者側と医者側がお互いにお互いを嫌いながら、仕方ないから必要な部分だけ治療するという誰の得にもならない状態となってしまいます。
処置をするメリット・デメリットだけではなく、処置をしないことでのメリット・デメリットもある。そういう認識を頭の中で思い描いて頂き、一人でも多くの方が最善の選択をなさることを願っております。