虫歯治療
Tooth Decay
「歯が痛い」「しみる」「黒くなっている気がする」… もしかして虫歯かも?と不安に感じていませんか。
虫歯は、残念ながら自然に治ることはありません。放置してしまうと、痛みが増したり、治療が複雑になったりすることもあります。
なぜ虫歯ができるのか、なぜ治療してもまた虫歯になるのか、再治療しないためには、順を追って説明します。
なぜ、虫歯ができるのか・・・食事をすることで起こること
むし歯は、菌が産生する酸によって、口の中のpH(ペーハー)が下がり、歯が溶けだすpHを下回る事によって起こります。
(pHとは・・・水素イオン指数といい、水素イオンの濃度を表している。およそ0~14の間で表現され、pH7.0は中性。0に近づくほど水素イオン濃度が高い=酸性度が高い)
現代においては、食事をすると、口の中のpHは4に近づくと言われています。(口の中で最終的にできる酸が乳酸である事が多く、そのpHが4程度)食後に、唾液が循環して、pHは7.0へと戻っていきます。
ここで、重要な事が一つ。pH5.4、これはエナメル質が溶けだすpHです。つまり、食事をするだけで、基本的には歯は溶けている、という事になります。
歯の秘密、再石灰化
上に書いたように、食事をするだけで、歯は溶けます。
食事のたびに溶けるのなら、毎日虫歯が作られてるわけですよね?でも、現代において、全体がボロボロの人ってなかなか見なくなりました。なぜでしょう?それは、歯に再石灰化、という機能があるからです。歯が溶けた後、pHが回復することで、壊された部分が修復されます。これが再石化です。

むし歯を、ただ治療するだけではダメな理由
上の文章をよく読んだ方はお分かりだと思いますが、むし歯は歯が酸で溶かされるから起こるのです。
起こす原因は何か?歯の表面についたプラークです。そして、基本的に歯の治療跡には、プラークはさらにつきやすくなっています。(治療した部分と元の歯との間には段差があります。これをゼロにすることは不可能です。また、治療の際に使い素材は、一部を除いて表面がざらついており、プラークが付きやすい状態になっております)
つまり、治療した歯は再治療になる確率は高い、ということです。
なぜ虫歯ができたのか?それを防ぐためにどうすればいいのか?再治療にならないために、どの素材で治すべきなのか・・・こういった点を抑えなければ、治療した部分から再度問題が起こり、何度も何度も治療することになります。そして、再治療する、ということは、今までよりも大きく削る、ということになるわけで・・・




上のようなことが、容易に起こるわけです。
再度、歯を悪くしないためには・・・
「治療した部分だけを最小限で」我々としてもよく伺う言葉です。本当に小さいものであれば、それに対応することも可能なのですが、上のようなものだと対応できなかったり、対応できたとしても、歯が割れたり、隙間から再度悪化することにつながり、より大きな問題を引き起こす原因となることもあります。
再治療は、しないに越したことはありません。そうするためには、どうすればいいか?をしっかりと話し合って治療を進めるのがベストだと思います。ただ、そのためにはどこに問題があるのかを明らかにする必要があります。
当院では、最初に全体をしっかりと診察いたしますので、問題があればご指摘させていただいております。